小児の悪い歯並びは、早く矯正歯科で治す必要がありますが、小児矯正は子供の成長による歯やあごの変化を考えて治療して行かなければなりません。悪い歯並びには様々なタイプがあるので、理解してそれぞれに合った矯正をする必要があります。

小児の悪い歯並びは、見た目で上の歯がきれいにアーチ状になっていてきれいでも、下の歯との噛み合わせが悪いと良くありません。また出っ歯はもちろん悪い歯並びですが、小児の歯並びで考えなければならないのは、成長してあごの骨が大きくなり、永久歯が生え揃ったときに矯正されてることを想定した矯正治療となります。さて悪い歯並びですが、前歯が横に綺麗に並ばなくて、それぞれが少しづつガタガタと曲って並んでいる状態を叢生(そうせい)といいます。あごに対して歯が大きすぎるからで、歯が歯茎から出てくるときに、真っすぐに生えてこなかった結果です。次が過蓋咬合(かがいこうごう)といって、前歯が上にかぶさり下の歯が隠れてしまいます。将来、上の前歯が上に上げられて出っ歯になることもあります。さらに下の前歯が上の前歯の裏側の歯肉に食い込み、歯肉を痛めていきます。次が開咬(かいこう)ですが、奥歯をしつかりと噛むと前歯が噛み合っていない状態で、食事のときに前歯がうまく物を噛めなくて噛み切れない状態となり、発音が旨く出てこなくて「さしすせそ」が正確にできません。指しゃぶりが主な原因で、5才位までに治さないと開咬(かいこう)になってくることがありますので、直すように教えてあげてください。

その他には、反対咬合(はんたいこうごう)といって、受け口の状態で下の歯や下あごが前に出て咬み合わせが逆になっている状態で、原因が歯とあごの骨にある場合に分かれます。あごの骨と歯の成長の兼ね合いで注意が必要な矯正です。さらに上顎前突(じょうがくぜんとつ)の出っ歯、上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)の口元が外に出た状態、正中離開(せいちゅうりかい)の歯と歯に隙間があるすきっ歯などがあります。