歯が動くしくみ歯列矯正では、歯を動かさなければなりません。そして、歯列矯正にかかる時間は長いとされています。すなわち、歯を動かすには時間がかかるというわけです。では、どうして歯を動かすには時間がかかるのでしょうか。

歯並びを矯正するには、歯の代謝機能を使って歯を動かします。この「代謝機能」を利用することによって、1カ月で0.3mmという長さの移動が可能なのです。歯は骨ですが、骨は日々成長しています。圧力がかかると吸収され、空いてしまったスペースを埋めるために、再び新しい骨が作られるというサイクル繰り返しています。矯正治療によって、ワイヤーを使って歯に長期的に弱い力を与え続けることで、歯は少しずつではありますが動いていくのです。ほとんどの方が、矯正治療では4mmという長さの移動が必要となります。1カ月に0.3mm動かすことができれば、1年間かけて4mmという距離の移動ができます。しかし、ただ移動させるだけでなく、正しい位置を見分けながら矯正治療を進めていかなければなりません。人によって移動するスピードも違いますし、歯の代謝によって新しく骨が作られるペースにも違いがあります。

また、歯列矯正を開始する時期によっても異なってくるでしょう。そのため、歯科医師と相談しながら矯正治療を行っていくことが理想的です。たくさんの矯正歯科がある中で、ご自分に合った歯科医を見つけましょう。この先長い間通わなければならないので、信頼できる歯科医院を見つけることが大切なポイントです。矯正治療には痛みも伴います。特に、ブラケットとワイヤーを付けた頃は痛みに慣れていないため、痛み止めを服用しないと食事も辛くて出来ない場合があります。頻繁な歯科医院通いもしなければなりません。しかし、根気強く治療を続ければ、ほとんどの方が綺麗な歯並びを手に入れられます。何十年と使うことになるご自分の歯ですから、矯正治療に関しては納得いくまで医師と話し合い、治療の開始を決断されることが望ましいです。